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最後の恋は甘めの味で

第21章 鳴る携帯

涼は興味津々に目を輝かせた。


さっきの態度は何処へやら。


「それで?それで?!」



お前、この会社に用があって俺には無いんじゃなかったのか



嫌味たらしく言おうと思ったが、口を噤む。


折角乗ってきたんだ。


また振り出しに戻っては意味がない。


俺は体を起こし、前髪を掻きあげた。


「告ったよ」


キャーっと楽しそうに騒ぐ涼。


涼は次いで急かす様に次の言葉を吐こうとした。


次に来る言葉を察知した俺は先に口を開く。


「フラれたけどな」

「え?ちょ?はぁ?!」


涼の声はここが会社だと忘れているくらい大きかった。


「うっせーな.....ここ、会社だぞ?」

「だって!」

「落ち着けって。取り敢えず話すこと盛り沢山だし、久しぶりにどうだ?俺の仕事が終わってからでも」


手でビールを飲むジェスチャーをすれば涼の瞳にまたキラキラと光が帯びる。

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