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最後の恋は甘めの味で

第21章 鳴る携帯

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俺と涼は並びながら、奇しくも絶交宣言をされたBarに来ていた。


そして嫌味なのか、あの時俺が頼んだ結局涼に飲まれてしまったカシスオレンジを涼は手にしていた。


「いい趣味してるわよね」

「お前もな」


マスターにマティーニを頼み、ネクタイを緩める。


「そんな強いの大丈夫なの?酔い潰れて話さないなんてなしよ?」

「俺が酔い潰れる?ねぇよ」


鼻で笑う俺にへーとなんの感情もない返しが返ってくる。


「それで?なんでわざわざここなのよ」

「絶交した場所。復縁するにも最適だろ」

「あら、誰が復縁するって?これからの話の良し悪しで今後の私達の関係も変わると思って頂戴」


カシスオレンジを一飲み。


ツンと構える涼を見て、俺は絶対復縁すると確信する。


今まで起こった話を聞いて涼がなびかないはずがない。

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