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最後の恋は甘めの味で

第4章 あの人

その男、上條くんの席に視線が辿り着くも姿は見えず。




?今日、休みなのかしら?




その考えが頭をよぎったとき佳世が続きの言葉を発する。



「若いわよね。暁。いつまで経っても」


「そうでもないわ。昨日、思い知らされちゃった」

「そんなに飲めなかったってこと?それとも若い子とでも行ったかぁ?」



佳世は意地悪そうに口角を上げた。


一瞬言葉に詰まる私。



しまった.....

墓穴掘った.....




黙る私を見て、佳世は口角をより意地悪く上げた。



「ビンゴね。昼休み、逃げたら承知しないんだから」



じゃ、また昼、と言葉を残し、佳世は席に戻っていった。



佳世は同僚の中でも一番仲がいい。




あのサバサバした性格が私にとって心地よいものとなっている。



容姿は同じ三十路なのに、その年を感じられないほど溌剌としていた。



私も同い年ではなく年下的感覚で彼女と接しているところがある。


だから悩み事なんかもすぐに彼女に相談し、即解決なんてよくあること。



とにかく私にとって佳世は頼りになる存在なのだ。

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