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最後の恋は甘めの味で

第4章 あの人

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昼休みになり、弁当箱を用意していたところ、すぐに佳世に引っ張られ屋上に連れていかれた。




まあ、そういう強引なところも好きなのだけど。




私が弁当を開くや否や身を乗り出して佳世が問いかけてくる。



「で?で?実際どうなのよ。この会社の子なの?」


「んなわ」



「今日、昼になるまでずっと誰か探してるようでその視線が幾度となくこの会社のモテ男の席にいっていたなんて私は全然気付かなかったけど」




ニコリと笑い、まくし立てるようにそう告げた佳世。



......だめだ

完敗だ

佳世に勝てる訳が無い。




はぁと一息吐き、そうよ、と相槌を打つ。


「ちょっと!いつの間にそんなに急接近したのよ!」


佳世の口調が明らかに興奮したものとなった。


屋上はあまり昼食場には使われないとは言え、多少なりとも人はいる。



私は慌てて佳世を制す。



「ちょっと佳世....声、大きいわよ」

「良いじゃない。本人がいるわけでも特定できるようなことを言ったわけでもないんだから」



さっき、モテ男って言ってましたよ

佳世さん



それにしても佳世の口ぶりは本人が絶対いないと断定するようなものだった。


なにか知っているのだろうか。



私の様子を悟ったのか佳世さんが口を開く。

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