テキストサイズ

最後の恋は甘めの味で

第23章 会いに行く

*********




車に乗ってから、お互いずっと無言。


行く先も告げられぬまま、上條くんの横で流れゆく景色を見詰める。


どうやら都外を目指しているらしく只今高速道路。


何度かのトイレ休憩も挟みながら、どれくらい時間が経ったのか。


時計を見るもそう言えば出た時間を見ていないことを思い出し、時間のことを考えるのを止める。


単調な景色に大きく口を開け欠伸が出た。


「口、手で覆うとかしないんですか」


ずっと前を向いているかと思ったらこういうとこはしっかり見ているらしい。


なんと憎たらしい。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ