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最後の恋は甘めの味で

第25章 消えた気持ち、増す想い

カウンターに向かい予約していたと自分の名を告げた匠真。


きっと私が一生言えぬ言葉。


貴方といた時、何度も思った。


住んでいる世界が違うのだと。


「お待ちしておりました。こちらにどうぞ」


案内人について行き、着く席。


同じ向きに座るはずもなく(それはそれで気まずくて嫌だけど)


お互い向かい合うように座る。


はっきりと顔が見える位置。


逃げも隠れもできない。


「この度ご予約頂いたのは当レストランのディナーコースでよろしいでしょうか?」

「えぇ。それで合ってます。よろしくお願いします」

「かしこまりました」


案内人が消えると、静まり返る場。


良く見たら周りは壁。


左を向けば鏡張りで夜景が見えると言えど人っ子一人いない。


つまり、匠真はわざわざ個室を選んだのだ。

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