最後の恋は甘めの味で
第25章 消えた気持ち、増す想い
なぜ......
と純粋に思う。
付き合ってた時も結婚をした後だってまともに会話が弾んだ記憶がないのに。
人が居たからと言って話せるわけもないがこの無言の空間が気まずさを倍増させる。
確かに人に聞かれるのもなんだかなって話もするかもだし
匠真なりの配慮が見えたけど逆効果にもほどがある。
「.....暁、なんでも食べれたよな?」
「え?あ、うん.....」
ぷつり
会話のキャッチボール、たったの一回で終了。
元々そうなのに別れてから初の対面。
会話が弾む筈がない。
そのまま無言の時間は続き、前菜を持ってきたウェイターさんを驚かせたくらいだ。