テキストサイズ

最後の恋は甘めの味で

第26章 告げる想い

手は虚しく宙を浮く。


上條くんの手は痛いくらいに私の肩を掴んでいた。


「.......感激のあまりですか」


何を言っているのか分からない。


でも私の肩を持つ上條くんの手は強まるばかりで。


「い、たっ.....ちょ.....離し....」

「野瀬さんと上手くいったこと報告するためにわざわざ俺のとこに?」

「は?!なにそれ!勝手に勘違い!」

「覚悟はしてたんだよ!!!」


上条くんの初めての怒鳴り声に体が固まった。


「してた......はずなんですよ......」


下がる顔から表情は読み取れない。



お願い

待って

違うのよ



ストーリーメニュー

TOPTOPへ