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最後の恋は甘めの味で

第26章 告げる想い

それの返答に上條くんは黙る。


でも、しばらくして少し不満気味ではあったけどはいと返してくれた。


「ありがとう.....あのね、私、最初こそは貴方の行動恨んだわ。だって貴方が見込んだあの人の会話力全く発揮してくれないんだもの」


なんだそりゃと上條くんが少し笑った。


気持ちも少し落ち着いたようで、心音も静かになった。


「無言でもうこのまま終わるんじゃないかって思った時にあの人の携帯が鳴ったの。最初、私、会社からだと思ってて。ほら、大手商社企業じゃない?実際、結婚した当時も帰ってきてすぐまた行っちゃうなんて日常茶飯事だったから」


私は当時を思い出してくすりと笑った。


「だけどね.......あの人の顔すごく穏やかだったの。私、すぐ分かっちゃった。相手は再婚相手の沙由さんだーって」

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