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最後の恋は甘めの味で

第27章 重なる体

部屋の前に来て、戸を開け、中を見てもなお、もやもやとする私の内。


そんなこと知ってか知らずか上條くんが私に向き、しゃがんだかと思うと体が浮いた。


「きゃっ?!」


軽々とお姫様抱っこ。


そのまま中に入れば閉まる戸。


がちゃりとオートロックが掛かった音がした。


上條くんは迷うことなく足をベッドに向かわせる。


焦り、声を出す。


「ちょ、ちょっと待って!シャワー」

「どうせ無駄になる」


ぴしゃりと言われ、ベッドに落とされた。


ジャケットを脱ぎ、私に覆い被さる上條くん。


上條くんの唇が私の首筋に当たる寸前、私はタブーを口にした。


「いや.......他の女性にもこんなこと、したんでしょ......?」


ぐいっと上條くんの体を押すも弱くてどうにも動かない。



私、最悪だ.......

こんな弱々しい女演じて......

絶対に、呆れられた......めんどい女って思われた.......


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