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最後の恋は甘めの味で

第27章 重なる体

はぁと上條くんの溜息が漏れる音で体がびくりと震えた。


それと同時に上條くんの体温が遠ざかる気配。


手を伸ばそうとしてぐっと堪える。


今の私に上條くんを止める権利はない。


自分を戒め、視線を下に下げる。


「.........やっぱそこ、気になります?」


聞こえた意外な言葉に上を見上げれば片手で首を抑え、気まずそうにしている上條くんが見えた。


「........怒って、ないの......?」

「なんで俺が?」

「だって、ムード.....」

「あー、もう慣れてるんで」


ぐさりと胸に何かが刺さる。



事実だけども......事実だけども!



今までの自分の行為を悔い改めるどころか


目の前の生意気部下に嫌悪を増させる私の性格の悪さよ。

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