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最後の恋は甘めの味で

第31章 惚れすぎ注意報

しかしそれは一瞬のことで。


すぐに真顔になり、その手がそれを崩そうとする。


俺はそれを慌てて止めた。


「折角可愛くしたのに、なんで取るんすか」

「だって......三十路よ?」


きた。


暁さんの十八番。


三十路よ。


それの何がいけないのか。


「別に良いじゃないですか。似合ってるんだから」

「そういうのお世辞っていうのよ」

「まーたそうやってひねくれて.......」


見れば暁さんは不貞腐れたように鼻まですっぽりとマフラーに顔をうずめていた。


ちょうちょ結びでそんなことをされると、まるで.......


「暁自体がプレゼントみたいだな」


微笑み、おでこにキスをする。


暁さんの顔はみるみる赤くなった。


赤のマフラーとマッチしてそれはそれはまっかっか。


「変なこと言わないで......バカ.....」


顔をもっとマフラーに埋もれさせようとする暁さん。

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