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最後の恋は甘めの味で

第32章 初めての..... 前編




キーンコーンカーンコーン


それを合図に、全員開放されたようにざわつき始めた。


やっと長い長い授業が終わり、放課後がやってきたのだ。


皆、それぞれ部活だの遊ぶだの話している中


俺は教室の窓際一番後ろの席に座ったまま動けずにいた。


そんな俺の周りには数多の女。


「ねーぇ、真也、今日は私でしょ?」

「は?調子こくな。私だっつーの」

「ちょっと待ってよ。私が予約してたのよ?」

「その前は私が!」


ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー騒いでいるところ悪いが俺自身そんなことを決めた覚えはない。


それを勝手に”今日は私”と決めて言い争うのは是非ともやめて欲しい。


こういう時、複数の女を持っていると本当にうざいと感じる。


気持ちも萎えに萎えてしまう。


はぁと大きめに息を吐けば、全員口を噤んだ。


少しのヤる気も消えた俺はそんな女共を置いて、立ち上がる。


「じゃ、また明日」


歩き出し、背を向けながら手を振れば誰かが追うこともなかった。

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