無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

雨のせいで少し感傷的になりすぎているらしい。


頭の考えを切るために1つ息を吐く。


景色を見れば家まであともう少しなことが分かった。


雨足もさっきと比べると強くなっているような気がした。


傘があるにしろ、折り畳みでははみ出る所もあるわけで


制服の肩が少し濡れていることに気付く。


これ以上濡れたら嫌だし風邪もひくかもしれない。


俺は帰路を急ぐため、足を一歩踏み出した。






..........そんな時








がっ








何かを蹴る感触。


何かを蹴ったまま下を向けば


そこにはーー


濡れた女が一人。


「うわっ！？」


慌てて足を引き、一歩下がる。


「ご、ごめんなさ....」


謝ろうとしてその異様な状況に違和感を持つ。


どうしてこんなとこで傘もささず雨に打たれしゃがんでいるのか。


そんな疑問は彼女の目線の先からの声によって解決される。








ﾆｰﾆｰ......









猫.....？



そちらに目を向ければ彼女の傘だと思しきものがダンボールに入った猫たちに捧げられていた。