最後の恋は甘めの味で
第33章 初めての..... 後編
俺を待っていたのは明かりも温かみもない家。
雨に打たれたまま立ち竦む。
その時、雨が止んだ。
誰かが傘を差し出してくれたらしい。
もしかして
とはやる気持ちを落ち着かせ目に入ったのは見知らぬおばさん。
「大丈夫かい?ずぶ濡れで。風邪ひいちゃうわよ?」
「あ、あの.....この家の人は.....」
「あら、お兄ちゃん。ここの人のお知り合い?残念だったわねぇ。お父さんの転勤で家族で昨日引っ越して行ったわ」
”引っ越し”
その言葉だけが頭に残り、理解ができない。
引っ越した?
つまり、立花さんは、もうここには.....?