最後の恋は甘めの味で
第33章 初めての..... 後編
「ここのお嬢さん、いい子だったんだけどねぇ、最近学校で何かあったのか引っ込み思案になっちゃって。いじめでもあったのかって噂になってたのよ。そういえば、あなたの制服ここの娘さんと同じ学校のじゃない。なにか知ってたりする?おばちゃん達、心配で.....」
ぐさぐさぐさぐさ、俺の心に刺さるもの。
「ごめんなさい.......」
「え?なに?」
泣きそうになる衝動を必死に堪える。
本当に理由は父親の転勤なんだろうか。
立花さんがここにいるのが辛くてそれが理由なんじゃないのか?
だとしたら立花さんは1人でどれくらい我慢したんだろう。
どんだけ泣いたのだろう。
自分が情けなくて不甲斐なくて仕方が無い。
拳を握り、傘をさしているおばちゃんに頭を下げ俺はその場から走り去った。