最後の恋は甘めの味で
第34章 告白と再会
年下くんに付いていき、着いた場所は階段の踊り場。
そこで思い出すのは真也のこと。
あの時未遂とは言えあそこまでやられてしまった私の非力なことよ。
もっとこう、がつんと言えば良かった
私は目の前に相手がいるにも関わらず過去の記憶にもやもやした。
「あ、あのー......?」
その様子に気を使ってか年下くんの遠慮気味な声でハッとする。
「ご、ごめん。ちょっと考え事」
「彼氏のことですか......?」
どんぴしゃり。
心の中を覗いたのではないかと思うくらい。
しかし疑問系だ。
まだ誤魔化せる!
「そ、そんなわけないわよー」
言って撃沈。
完璧に声が裏返った。
不自然すぎる。
これは、根掘り葉掘りコースか?と覚悟を決めたとき、年下くんが私の両手を捕まえる。
いきなりの出来事過ぎて混乱する私。
そんなことお構いなしで年下くんは口を開く。
「彼氏がいても、俺は!」
「あれ?暁さん?」