テキストサイズ

最後の恋は甘めの味で

第34章 告白と再会

どう考えてもわざと被せたその声の主。


真也はどうやら2階で何かしていたらしく


ゆっくりと階段を下りてくる。


「え?あ、え?!上條、真也?!」


さすが真也!


どこの誰であろうが知られているなんて素敵!


などと賞賛している場合ではない。


踊り場に降り立った真也は、どう考えても不機嫌だ。


笑顔さえ浮かべず睨む先には年下くんに掴まれている私の手。


年下くんは何かを察したらしくバッと手を離した。


「俺、なんか邪魔でした?」


にこーっと笑ったけれど、年下くんに向ける威圧が隠せていない。


年下くんをチラ見すると変な汗がだらだらと流れていた。


「やだなぁ。だったら言って下されば俺、立ち退きますよ?」


言葉と声音があっていない。


年下くんはとうとうガタガタと震え出し、遂には


「いえ!なんでもありません!申し訳ございませんでした!!」


訳の分からない謝罪をし脱兎の如くその場から逃げ去ったのだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ