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最後の恋は甘めの味で

第5章 最悪の日

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連れていかれたのはあまり職場の人が使わない階段の踊り場。


上條くんは、片手を私の頭の上の壁につき、私を上から威圧的に見下ろしていた。



「.........」


「.........」



なぜ、何も言わないの?



無言の時間が数分続き、私のイライラも溜まり始めた頃、上條くんはやっと口を開く。


「泣いてたんですか.....?」


「だったらなに?あなたに関係ないじゃない」



苛立ちが口調に出て強くものを言ってしまう。



「..........」



その後も黙る上條くんを見て、私の苛立ちも頂点に達する。


「用がないならも」


どん!!



そんな音がして私は上條くんに包囲された。








下を向いていた上條くんはゆっくり顔を上げ










「誰に、何されたんすか」










とだけ私に告げたのだった。

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