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最後の恋は甘めの味で

第35章 嫉妬と罪悪感

思わず顔をそちらに向ければ橋本も釣られたように覗こうとするので


慌てて顔を戻す。


あんなん橋本に見られたらもっとめんどいことになる。


「悪い。聞いてなかった。なんだっけ?」

「だーかーらー」


表面上は橋本の相手をし、耳は踊り場のところへ。


あれは絶対告白だ。


そして暁さんはそれを絶対分かってない。


目の前には橋本がいて下には暁さんに接する男1人。



あー.....くそ......



身動きが取れない俺の耳元に届く言葉。


「彼氏のことですか......?」


話の繋がりは見えないが暁さんがそうだと言えば話が付きそうだが.....


「そ、そんなわけないわよー」


案の定暁さんは誤魔化そうとして大墓穴。


そんなひっくり返った声で言ったら誰でも怪しむ。


チラッとさりげなく見れば暁さん、男に両手掴まれてる。



ぷつり



何かが切れる音がし、俺は橋本を置き、男の声に被せるよう階段を下りて行った。

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