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最後の恋は甘めの味で

第35章 嫉妬と罪悪感

顔を見ればやっぱりその人で。


声に出ず、名前を呼んでしまった。


時がまるで止まったかのように感じる。


誰も動かず喋らずに。


すると、俺のスーツの袖口を誰かに引っ張られた。


ハッとして見れば不安そうに暁さんがこちらを向いていた。



そうだ.....こんなん不安に決まってる.....



ここは早々に切った方がいいと判断したとき立花さんから話を切り出してきた。


「久し、ぶり、ですね......」


にこりと笑ったその顔がどこか切なくてーー


あの頃の面影を思い出す。


それはとてつもなく俺の心を痛ませた。


「.......彼女さんですか?」


隠す必要もない。


罪悪感を感じることもない。


だってあれは過去のこと。

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