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最後の恋は甘めの味で

第35章 嫉妬と罪悪感

なのに.......


俺の心はひどく言う事を躊躇っている。


こんなのいけない。



暁さんが......暁さんが隣にいるのに.....

言え.......言えよ.....!



その時、聞こえた声。


「雫ー?」


それはどうやら男性のようで。


奥の席にいて姿は見えない。


「あ......えと.....じゃあ、行きますね」


立花さんがそちらに足を向け消えていく。


横を向けば暁さんがいる。


きっと不安で泣きそうになっている。


俺は俺のスーツの袖口を握っている手を両手で包み大丈夫と言ってあげなきゃいけないのに


俺の体は何かに縛られたようにその状態から動かずにいた。

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