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最後の恋は甘めの味で

第36章 どうして.....?

その予感はどうやら的中らしく部長が深く息を吐いた。


「使い方が分からないと問い合わせが来てね。研修生が言うには君の説明が全くなっていなかったと」



はぁ?



ふざけるのも大概にして欲しい。


聞いていなくて分からなかったものをこっちのせいにしてくるなんて。


しかし、そのときの証拠を持っていない今、悪いのはどうしたって教えた側になってしまう。


私は立ち上がり、部長に頭を下げる。


「ごめんなさい。私のせいで」

「いや、いいんだよ。今から行ってもらえれば」


やっぱりそう来ますか。


心の中で溜息を吐き、分かりましたと返事をする。


出る支度をし、□□株式会社の位置調べ。


歩きで行ける距離ではないようなのでタクシーを使うことに。


部署を出る時に各々の予定を書くホワイトボードに外出と記す。


なんとはなしに見えた真也の予定。


早退と書かれていたそれ。



打合せじゃ、ない.....



ドクンと脈打つ心臓を抑える。



まさか、ね......



私は過ぎる予感を消し去り、会社を出た。

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