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最後の恋は甘めの味で

第37章 終わった過去、変わった人

持って帰ったはいいけど本当に俺のものなのか不安になった。


あの一瞬で書けるものでもないし


もしかしたら奥にいた男性に宛てたものなのかも知れない。


そんな不安は内容を読むことによってあっけなく消える。



”明日、同じ場所で話せませんか?連絡待ってます
090-****-****”



あぁ、そうですね。


俺宛てですね。


走り書き+字ががたがたなところを見るとかなり不安定な場所で書いたのだろう。


膝の上だったり手の上だったり。


推測するに奥にいた男性との待ち合わせであの喫茶店に入る前、外で俺の姿を発見したんだろう。


きっとあそこを通るのも声をかけるのもかなりの勇気を出したはずだ。


この紙だって書いたはいいけど本当に落とすのかとかいろいろ迷ったはずだ。


俺は連絡をするべきじゃないしましてや行くべきではない。


でも、でも.......



......暁さん、ごめんなさい

あと1日だけダメ男にならせて



俺は携帯を出し書かれている番号に電話をしたのだった。

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