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最後の恋は甘めの味で

第37章 終わった過去、変わった人



「なんか......変わった?」

「あれから何年経ったと思ってるんですか。私だって変わりますよ。過去は過去のことって片付けられるくらいには大人になりましたから」


まるで”過去のことは気にしてない”って言われてるみたいで。


俺は、それに、甘えていいのだろうか。


いいや、そんなはずはない。


ちゃんと謝ることは謝らないと。


「.......だけど、俺は.....」

「上條くんらしくないですよ。貴方はもっと俺俺で堂々としていなきゃ。昨日の彼女にも飽きられちゃいますよ」


スパっと遮られ


”らしくない”


あの頃嫌いで堪らなかった言葉をサラッと言われた。


その笑顔は”私のこと、嫌いになったでしょう?”の意なんだろうか。



まさか、好きだったこと、バレているのか?



にこにこと笑う立花さんには全く隙がなかった。


それでいて何もかもを見通すような感じに


俺は片手でおでこを抑え微笑を漏らす。



あぁ、完敗だ



女性は強いと誰かが言っていたのを思い出した。


確かにその通りなのかもしれない。

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