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最後の恋は甘めの味で

第37章 終わった過去、変わった人

私はそれが痛くて眉をひそめる。


だけど、年下くんの手の力は緩むどころか強くなる一方で


思わず痛いと声に出せばそれが年下くんの何かスイッチを押したらしい。


腕を引かれ、壁に両手を拘束されて押え付けられた。


「っ.....」

「痛い?ふざけんな......俺の心の方が痛いんだよ!!あの時、近くに人が居たらしくて言いふらされた。俺は部署で告白さえさせてもらえなかったマヌケ野郎って言われてんだ。何もかもあんたのせいだ.....」


何の話を、しているのだろう。


そんなこと知ったこっちゃない。


告白しようとしたのは貴方だし私は何も悪くない。



なのに、なぜこんなにも責められないといけないの.....?



だけど弱った心にはその訳の分からない責めは充分効き、涙が止まらなくなる。



もう、嫌だ



真也を信じれない自分もこの男も何もかも。


目を閉じ、考えるのを止めようとした次の瞬間。















がっ!!














そんな鈍い音がし、手が開放された。

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