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最後の恋は甘めの味で

第38章 ブラック香る甘い恋

じゃあ、なぜ真也は私服をまといここにいるのか。


よもやこうして女子に囲まれている自分を披露するためではあるまいな.....


ぎりぎりと奥歯を鳴らし真也を睨めばそれに真也が気付き、ばちりと視線がぶつかった。


そしてそのままにこりと微笑みを向けられる。


そんな真也を疑問に思っていると真也は歩みを迷うことなく私に向けてきた。



え?うそ.....は?!



混乱する私をよそに自然と開かれる道を一歩また一歩と確実に進めている。


女子達の視線は自然と私に集まり.....


どうしようも出来なくなった私は逃げようと試みる。


が、あっさりと真也に腕を掴まれ失敗に終わる。


「なんで逃げるんですか。暁さんを待ってたのに」


この男は一体何を言っているのか。


その一言で今までの努力が水の泡になることを知っているのだろうか。


案の定、女子達からは悲鳴にも似たそれが放たれた。


「え?!どういうこと?!」
「もしかして.....付き合って.....?」
「いやぁあああ」


そんな声を聞きながらあぐあぐする私とは反対に真也は楽しそう口元を歪めた。

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