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最後の恋は甘めの味で

第38章 ブラック香る甘い恋

されどムカつくので私はむすっとし、差し出された資料を受け取った。


さっと目を通しただけでも完璧と分かるそれに今一度イラついた。


「それ、好きっすね。にゃぁ」


ある時を思い出しにやにやとして言う真也。


これに乗ってしまえば真也の思う壺と分かっているため私は至って平静を装い資料を差し出す。


「はい。確認終わり。この調子で頑張ってね。”上條くん”」


にっこりたっぷり嫌味を込め、そこを強調。


真也は真顔になりぴくりとまゆを動かした。


ずいっと顔の前まで近寄ってきたかと思えばにっこり満面の笑み。



あ......怒った.....



気付くも遅い。


「今夜、楽しみにしとけよ。暁」


その言葉を残し、余程私の顔が引き攣ったことが嬉しかったのか


席に戻る真也の足取りには♪が付きそうな程。

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