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最後の恋は甘めの味で

第6章 高級ホテル

ポツリと呟かれたそんな言葉。



.......佳世のこと、よね?



確かに佳世は誰もが認める”いい人”だと思う。


友達思いだし、悩み事もあの性格を活かして大胆かつ的確に解決してくれる。


でも今の会話でそれを感じさせる節はなかったはずだ。


分かったのはきっと豪快な人、くらいなもので.....。


呟かれたその言葉に戸惑いながらもなんとか今の状況を打開しようと体を捻る。


うねうねしていると上でかすかに息を吐く音がした。


その拍子に力が緩んだので見上げると、上條くんはおかしそうに笑っていた。


「.......なによ」

「だって暁さん、うねうねしてておかしいんですもん」



もんって....

大の男が使う語尾じゃないわよ



しかし相手はあの上條くんだ。


この男にかかれば”もん”でさえも色気を含む語尾となる。


「っていうかあなたのせいでしょ?早く体を離し」

「”抱いてやるよ”」


重低音でもう一度その言葉を口にする上條くん。


一度目よりはっきりとその言葉の意味を理解して受け入れる。


顔が徐々に赤くなっていくのが分かった。


その様子を見て上條くんが満足気に笑ったのが見えた。

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