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「やっと理解してくれましたか？暁さん」


私の股の間に入っていた足が若干中心を刺激する。


「っ！」

「もう感じちゃったんですか？まだ、始まったばっかですよ」


上條くんの手は器用に私のブラウスのボタンを外していく。



待って待って！

本当にここでするつもりなの？！



上條くんの唇が私の首筋を伝う。


それだけで震える体。


熱くなる中心。


もし、見付かったら、その最悪なシチュエーションでさえ、興奮材料でしかない。


嫌なのに.....上條くんが優しく私に触れる度に体は熱さを増していった。


でも、このまま飲まれてはいけない。


理性がある今のうちに、と上條くんの胸を押す。


「いや......」


出てきたのはそんなか細い声。


それと同時に上條くんの動きもぴたりと止まる。



あんなに強引だったのに.....



そう思っているとふいに私の頬を上條くんが優しく撫でた。


「.......泣かないで下さいよ」


その言葉で初めて自分が涙を流していた事に気付く。


上條くんを押した手もわずかに震えていた。


久しぶりの男の人の強引さに体も心もついていかなかったらしい。


涙を止めることも出来ないでいると、さっきまでの荒々しさが嘘のように上條くんが私を優しく抱き締めた。


「かみじょ、く」

「今はしません。だから泣き止んで下さいよ。前戯で女泣かすとか俺のポリシーに反するんで」


私の頭を自分の胸に押し付け、立派なスーツが濡れることも厭わず私を抱き締める上條くん。



なによ.....

その変わりよう......



本当にこの歳になって涙腺が脆くなってしまった。


私は、心が落ち着くまで上條くんの胸で泣き続けた。