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最後の恋は甘めの味で

第40章 え?言いましたよ?

前者のことも気になるが後者の事実の方が私にとっては重要だ。



もしかして当本人いない感じ?

帰れる?!



自分に合わなすぎる空間に息が詰まっていた私にとっては朗報すぎる。


期待を込めて真也を見れば真也は申し訳なさそうな顔をした。


「おばあ様、急な用事が入っていないそうです。ごめんなさい。暁さん。頼んだ方がいなくなって、無駄足という結果に.....」



いや、むしろ大歓迎!!!



言えるはずもなく心の中で万歳する私の耳に聞こえたセバスチャンの声。


「そう言わず。久し振りの顔見せなのですから。使用人達も張り切っていますので、どうぞ一泊だけでもしてお帰り下さい」

「........いいですか?暁さん」

「........ひゃい....」


こう答える他何があったと言うのだろう。


私の期待が儚く散っていくのを感じた。


かくして、初豪邸にして初お泊りが決定したのだった。

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