
最後の恋は甘めの味で
第40章 え?言いましたよ?
「だって暁さんだけ幸せそうってずるくないですか?」
ぼそりと呟かれたそれもまた私の心を擽った。
擽ったのだが、今はそれどころじゃない。
とりあえずこの疑問を解決しないと感じるものも感じない気がする。
しかし、真也はそんなこと知ったこっちゃないようで再度ブラを取る態勢に入る。
せめてブラを取られる前に、と声を出す。
「真也、あなた一体何者なの?!こんな豪邸持つ方が祖母だなんて!」
「え.....?」
「え?」
僅かに聞こえたその声に私はオウム返し。
きょとんとする私を尻目に何か考え出す真也。
そして思い出すように真也は口を開いた。
「俺、なんとなく言ったことありますよ?俺が何者か分かるような言葉」
「ないわよ.....そんな記憶」
「高級ホテル」
その言葉である言葉がフラッシュバックする。
