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最後の恋は甘めの味で

第6章 高級ホテル

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「私は本当はこんな弱い女じゃないの」


さっきまでわんわん泣いてたくせによく言う、と自分でも思う。


またまた自販機のとこの長椅子に座り目を冷やす私。


これだけ泣いてしまったらもう腫れることは承知の上だが、少しでも抑えられるなら、と必死に冷やす。


「あー、そうっすか」


上條くんは呆れたようにはぁ、とため息一つ。


まるで被害者みたいなツラをしてるけど、原因は少なくともあなたにあることを忘れないで欲しい。


「大体にして何が”抱いてやるよ”よ。生意気なのよ。いつの間にか敬語じゃなくなってるし。ここが会社ってこと忘れないでちょうだい」


泣いたことで何かが吹っ切れた私は、上條くんに対して訳も分からない先輩風を吹かす。


上條くんは目を細め、痛いものでも見るように私を見た。


「何なのよ。その目。先輩に対してそのたい」

「落ち着きましたか?」


上條くんが私の前にしゃがみ、目線を合わせてくる。


その声音はまるで、拗ねている子供を落ち着かせようとしているようで。


私は少し恥ずかしくなり、目を背ける。


「.......お陰さまで.....」


小さくそう呟いたのを聞き、上條くんが再度立ち上がる。


見上げ、見えたのは.....





気持ち悪いくらいに




ニコニコと笑う上條くんだった。


「か 、上條くん...........?」


不気味に思い、声をかけるとその笑顔を崩さぬまま、上條くんは口を開く。





「じゃあ、行きましょうか」

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