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最後の恋は甘めの味で

第40章 え?言いましたよ?



「まあ、駆け落ちって言ってもそんなお咎めは無かったみたいですけど」

「ぁ、んぅ.....手、止め....ぁん....」

「資金の援助は母が断ったみたいだし、正月になると送られてくる俺へのお年玉でさえ返したらしいです」

「ぁ、う、ぁあ」

「今も昔もたまに俺に会いたいって言うんでその度にあいに来てはいますけどその時だってお金はもらったことないです。まあ、何度もこんな空間を見たもんで耐性は付きましたけど」


真也は家庭事情をずらずらーと述べるけど


私は真也の指使いに酔いしれそれどころじゃなかった。


真也の話は右から左へ流れるばかり。


「さて、暁さん、お喋りはこのくらいにして。幸せに、させて下さいね」


にこりと笑うもその瞳は笑っていなくて


獣のような瞳に囚われたままの私の耳に


本番のゴングの音が響いた気がした。

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