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最後の恋は甘めの味で

第6章 高級ホテル

「暁さん、シャワー浴びます?」


そう言うも、既に私の体を包囲している上條くん。


「.......浴びさせる気なんてないくせに」

「ありますよ?だって男と体を合わせるなんて久々じゃないんですか?最高のコンディションで臨んでほしいですけど」



それはつまり、私が上條くんに抱かれるのに汚いかもしれないのを気にすると?



第一にして、抱くこと前提なのもおかしな話だ。


私は一度足りとも首を縦には振っていない。


「まあ、俺は別にどっちでも」

「上條くん」


少し強めに名前を呼ぶ。


上條くんもそれに伴い口を噤む。


「離れて」

「......なんでですか」

「取り敢えず離れて。説明もないまま抱かれるなんて私、絶対嫌」


あんに説明さえあれば抱いてよし!と言ってるようなものだが、今、上條くんを離れさせる言葉がこれくらいしか思いつかない。


じっと見詰め、訴える。

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