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最後の恋は甘めの味で

第6章 高級ホテル

ムードが台無しなのは分かっている。


だけどそんなことより今、キングサイズのベッドの上に私たちがいるということは上條くんがもらった”副収入”を使ったということ。





つまり.....







「上條くん、会社辞めちゃうの?!」

「なんでそうなるんですか.....」

「だって引き抜き....」

「抱く約束しただけですって」


その言葉に胸が痛む。



無理をして、自分を買った女を抱くなんて.....



私だったら考えられない。


というか絶対嫌。


ぎゅっと自分の胸を押さえていると上條くんはにやーっと口を歪ませた。


「もしかして嫉妬してくれてます?」

「は?」

「胸抑えてるし、つきんときたんでしょ?」

「.......違うわよ。自分の事買った女抱くなんて吐き気するじゃない。そんな可哀想な上條くんを思って胸が痛むのよ」

「.......それ、本気で言ってます?」

「本気以外の何があるの?」

「.........」


きょとんと目を丸くする私とは正反対に上條くんは片手で顔を抑え、マジかよ.....と呟いている。



??



訳が分からずおろおろする私。

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