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最後の恋は甘めの味で

第6章 高級ホテル

すると、上條くんは片手を外しどこか一点を見つめる。


その瞳には力も気力もなかった。



そんなに嫌なのね.....どうにかしてあげたいけど私にはどうすることも.....



「もう、いいです」


思い悩む私とは反対に上條くんの言葉は投げやりなものだった。


「良くないわよ!きっと、逃げる道は」


言葉が終わらないうちに私をベッドに倒し私に覆い被さる上條くん。


その状況に一瞬頭は混乱するがすぐに整理する。


「ちょっと!なにしてんのよ!」

「もう、いいって言ってるんですよ」

「私は良くないわよ!」

「当本人がいいからいいんすよ」

「なんでそんな投げやりなのよ。自分の事なの」

「暁」


本日二度目の呼び捨て。


先程と違い、その声には色気満載で私は思わず言葉に詰まる。


「もう黙って下さい。2回もおあずけされるほど、俺、安い男じゃないんで」

「っ.......大体、なんで私、あなたに抱かれなきゃ」

「泣いてたからでしょ」

「は?もう泣いてないし、あの時あなた抱かないって」

「本当に人の話聞きませんね。俺は”今は”抱かないっつったんすよ」

「はぁ?そういうのをへり.....っ....」


上條くんはもううんざりというように私の口を塞いだ。

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