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最後の恋は甘めの味で

第7章 事実

ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ.....


自分の所のシステムを話すわけでもなく、永遠と自分自身の話をする部長。



よくもまあそんなに出てくるもので



呆れを通り越して感心していると、ふいに座席を立つ部長。


「んー....あー.....」

「どうか、されましたか?」


にこりと問いかける涼。


そんな涼に若干頬を染める部長。


気持ち悪いなんてもんじゃない。


涼の笑顔も若干引きつったのが見えた。


「少しトイレをもよおうしまして」

「あら......じゃあ、行ってらっしゃって下さい。私は期待の新人の彼と話でもしているので」

「あー.....んー.....悪いね」


部長と涼の視線がぶつかり、何かを悟る俺。



あの野郎

俺をダシにするまでじゃなく俺を売りやがったな



部長の意地汚さに吐き気をもよおす。


汚いのは顔と頭だけにして欲しい。


バタンと戸が閉まり、二人だけの空間。


「..........」

「..........」


お互い口を閉じ、何も言わないでいると、涼の口からそれはそれは長い溜息が漏れた。

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