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最後の恋は甘めの味で

第9章 相合傘

腕時計を確認し、先程から10分ほど経過していることに気付く。


雨足は弱まるどころか強くなっている。


仕方無い。


近くのコンビニまでダッシュで行ってそこで傘を......


と思っていると、隣でパンっと傘を広げる音。


そっと見ると、長い足に長い手、この前ほど立派ではないスーツを少し気崩して着こなす端整な顔が見えた。


今日一日私を戸惑わせた男ーーー上條真也は会社の前を行き交う女性の目を独り占め。


「..........」


そんな上條くんは傘をさしたままなぜか一時停止。

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