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特別刑務所(仮)

第12章 お薬。

辺りを見回し、なにか使えるものはないかと探す。

「あ、タオル。」

手拭きタオルをとり、それを使って運ぶ。
なかなか、良い考えを思い付いたと自分を誉める。
慎重に、机まで移動する。
が、しかし。お約束のごとく土鍋の中の汁が手にかかる。

「あつ!」

がしゃーん!

手にかかった汁があまりにも熱く反射的に持っていた土鍋を落とす。
盛大に土鍋が割れなかのうどんやら具やら汁が足元に散らばる。
片付けようとすると、九条に手を持たれた。

「手、冷やしてこい。ここは良いから。」
「・・・・」

俺は言うことも聞かず土鍋の欠片を集める。

「っ!」
「たく。だから良いっていっただろ。見せてみろ。」


腕を捕まれる。
欠片で切れた指から血が流れる。

「中に入ってなきゃ良いけど。とりあえず、駒に見てもらうか。火傷も。」


九条はそう言うと俺を抱き上げ、自分側へ寄せ
そのまま、駒場の家まで連れていかれた。

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