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特別刑務所(仮)

第12章 お薬。

「駒ー悪い。」

九条が玄関越しで呼ぶと駒場が出てくる。

「ん?て、手!なにしたの?」
「土鍋で」
「は?土鍋?まあいいや。上がりなよ。」

要領の得ない回答に些か怪訝な表情を浮かべるが、とりあえず処置をする。
その間に事の経緯を細かく九条は説明する。

「たく、そんなもの持たせるなよ。たいした怪我じゃないから良かったけど」
「るーちゃん痛い?大丈夫?」
「うん・・・・」
「痛いときは言った方がいいよ!和にもっと優しくって!」
「うん・・・大丈夫。」


本当は切った場所も火傷もだんだんと痛みを主張してきてるけど、でも九条がずっと手を握ってくれてるからだろうか。
安心感。
そのお陰で痛いのも我慢できた。

「これで、大丈夫。一日数回の消毒で問題ないよ。血が結構出てたから深いと思ったけどそこまでじゃなかったしね。」
「ありがとう。」
「いえいえ。どういたしまして。」

九条も駒場に悪かたったなと言いうと、俺に帰るよと促す。

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