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特別刑務所(仮)

第3章 学校。

朝食をすませ迎えが来るのを待っていると昨日同様玄関が開く音。ついで聞こえてきたのは元気の良い声。その声の主は十中八九瀬川のもだろう。荷物を持ち玄関へ行くと案の定瀬川が立っていた。瀬川の影に隠れるようにいたのは狩野。その狩野横にもう一人。猫のように少しつり上がった目をしたその少年を佐野であるということは容易に理解できた。

「君たちさ、早くしなよ。遅れるよ」

玄関で立ち止まったまま考え事をしていたため九条に急かされ家を出る。すると、瀬川に手を握られ佐野の方へ引っ張られた。そのせいで佐野と目がしっかり会った。佐野と目があった一瞬全てを見透かされているそんな気がした。
佐野はニコッと笑い挨拶をした。

「昨日は挨拶に行けず申し訳なかったね。佐野練と言います。俺の事は章から聞いてると思うけど一応ね。分からないことがあれば俺に聞いて?ここの区では俺が一番最初に入館してるから。」

そう言い握手を求めてきた。それに答えるように一言よろしくといい手を出した。

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