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特別刑務所(仮)

第15章 誕生。

翌朝足の痛みと腫れは引き昨日よりも楽になっていた。
とは言え動かすとまだ少し痛むその足を庇うように引きずるように歩く。

「おはよ。九条。」
「ん、おはよ。足どうだ?」
「ちょっと痛いけどもう平気そう。」


そうか、と安堵の表情を浮かべる。

「今日が休みでよかったな。」
「ほんとにねー!あ、そうだ!今日は増田さんが誕生日だからあとでおめでとうを言いに瀬川と佐野呼んでいくんだー」
「なんで、増田の誕生日を知ってるんだ?」
「えー?狩野が言ってたから?」

あれ?いじけてる?
もしかして、や、妬きもちかな?

「九条?妬いてる?」
「は?妬くもなにも別に興味ないし」
「・・・・・・」
「ちょ、泣くとか反則。」


最近知った。九条は涙目に弱い。
困ったり、かまって欲しいときはこれを使うと効果的。
これは、瀬川から聞いたんだけど、涙は武器らしい。

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