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特別刑務所(仮)

第23章 政府。

「顔をあげなさい。木下くん・・・
人を好きになるのはそれだけで苦しくて、そして素晴らしいことなんだよ。正直ね、男だとか女だとか、そういうのはどうでも言いと私は思う。確かに世間体とかある。ましてや犯罪者となんてって周りは非難するだろうね・・・
それでも、君は好きなんだろ?守ってやりたいんだろ?」

意外な返答に思わず目を見つめたまま固まる。

「九条くんがね、最初に報告に来たときからかな・・・
この計画は間違ってる。あれだけ密にいたら誰だって同情とか持ちますし、そもそも犯罪者になった理由が国にあると思えてしまう時点でこの政策は失敗だったんじゃないですか?って言うんだよ」

九条先輩・・・
そんな頃から言ってたの?

「私も彼に言われて、過去の報告書を読み返しながら、本当にこのままで良いのかと最近思うようになってな・・・
ただ、この裏更正を取り止めたとしても犯罪はなくならない。
根本を止めたら子供が減る可能性もある。ただ、そこを止めなければ現状はこのままだ。私も協力しよう。」
「と・・・所長。ありがとうございます。」


さて、問題はまだまだ山積みではあるがこちら側に味方してくれる人間が政府側にいてくれて本当によかった。

「練・・・待ってろよ。」

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