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特別刑務所(仮)

第5章 休息。

その後軽く睡眠を取り俺は退院した。
医者の話によると、体にできた傷は薬をしっかり塗れば直るとのこと。どちらにせよその薬には鎮痛効果もあるらしいので利用することになるだろう。
俺と九条は病院を後にし家路につく。
その途中人に会うたびに恥ずかしさが込み上げる。
その度に九条の影に逃げる。

「なんだ?」
「いや・・・」

俺の顔を見て察したのだろう九条は俺を自分がわに寄せる。

「良いことを教えてやる。さっきも言ったが新参者にあのやり方は効率がいい。うちの区にいるあの三人も例外なく受けている。正直ここにいる被験者を含め専属刑務官や他の刑務官達にはお馴染みの光景だ。だから恥ずかしがる必要もない。わかったら普通に歩け。」

そう言い終わると俺を突き放す。
九条の言う通り皆同じ目にあっているのだろう。それは、学校での会話で想像はついていた。だが、例え皆同じだろうと、その光景を見慣れていようと、体感したこっちは恥ずかしくて死にたいぐらいだ。
顔を下にさげとぼとぼと九条の後に着いていくと、後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。

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