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特別刑務所(仮)

第39章 木下章尭

燃える民家の影に九条の姿が見えた。
いつもと違う。
何をしてる?
そんなことはどうでもいい。
心を落ち着け俺は銃口を向けた。



「死ね」



パンっと、乾いた発砲音。
俺の撃った弾は九条の肩に見事に命中した。
肩を押さえこちらを見ると銃を構え躊躇いもなくその指を引いた。



「!」
「ぐっ」
「え?」
「伏せろ!」
「は?」
「ちっ」



何発もの銃声。
九条の腹部から大量の血。
後ろを見れば死んだ人間。



「・・・んで?何でだよ!?おい、ふざけんな!」
「おい、小僧・・・ょうしに・・・るな、よ?
いつだって、いの・・・かかっ」
「もうしゃべんな!くそ、くそ!」



無我夢中で九条を背負い駒場さんのところへ連れていった。
幸いにも傷は問題ないそうだが、俺の撃った弾だけは取り出せないとのこと。
一生残る傷痕にしてしまったのに九条は気にするなと言う。


「気に・・・なるわ。」

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