ミルクチョコレート
第1章 先生と秘密の放課後
「七瀬」
彼は私の大好きな声で、私の名前を呼ぶ。
「キスよりもっとすごいこと、する?」
耳元で低く囁かれた声に、私の心臓は跳ね上がった。
大好きな先生が、キスしてくれた。
こんなにも深いキスをくれた。
それなのに、それ以上のことをしてくれるの?
先生も、私のことが好きなの?
けれどそんなことは聞かずに、私は
「…してください、先生」
ただそう答えた。
彼はそのまま私を机に押し倒す。
すべてを先生に委ね
その日、はじめて
彼と身体を重ねた。
それからの私たちの放課後は
一緒に宿題をするというのはただの口実で
宿題を終えてからの私へのご褒美が
私たちが放課後、教室で待ち合わせる理由になった。
「おい、七瀬、手が止まってる」
私がぼんやりと当時のことを思い出していると
彼は私の頭を教科書で軽くはたいた。
「お前が宿題を終わらせないと
ご褒美、やれないぞ?」
「はーい」