メビウス~無限∞回路
第6章 祭り
「…父さん。尊が出て行ったんですけどー」
どうしましょう? と顔を向けると、父は多少困った顔をしながら「仕方ない」と呟き、神楽に後を追いかけるように指示する。
頷くと神楽は、夏用パーカーを羽織り尊の後を追いかけた。しかし人の数が多く、気を手繰るのも一苦労だ。
「全く…毎回のこととはいえ、落ち着きがないのだから」
尊の居場所を手繰ると、思った通り金魚すくいの前で立ち止まっている。一度したいのかと問いかけてみたことがあるが、尊は左右に首を動かすだけだ。
「気になるなら、一度ぐらいしてみてはいかがですか?」
「…する気もなにも、今は俺金がねぇ」
どうしましょう? と顔を向けると、父は多少困った顔をしながら「仕方ない」と呟き、神楽に後を追いかけるように指示する。
頷くと神楽は、夏用パーカーを羽織り尊の後を追いかけた。しかし人の数が多く、気を手繰るのも一苦労だ。
「全く…毎回のこととはいえ、落ち着きがないのだから」
尊の居場所を手繰ると、思った通り金魚すくいの前で立ち止まっている。一度したいのかと問いかけてみたことがあるが、尊は左右に首を動かすだけだ。
「気になるなら、一度ぐらいしてみてはいかがですか?」
「…する気もなにも、今は俺金がねぇ」