硝子の挿話
第7章 徒花
なんとなく気まずい空気が、三人の間に流れた。
「なにやら空気が…落ち着かないのですが………」
サイティアもユウリヤも沈黙を守る方なのだが、互いは視線を交えて暫く観察しあう。品定めでもするように上から下へ、下から上へと流れる視線。ティアはあえて何も言わずに固まった雰囲気に苦笑してしまった。
互いに視線で牽制しあっているみたいだが、不意にサイティアが何かを感じた。
「!」
禁圧をかけた場所ではないからかと、警戒を強めたサイティアに、ユウリヤも気がつき周囲を視線だけで伺う。張り詰めた弦はいつ切れても違和感はないだろう。
「動けるか?」
「はい」
サイティアが確かめるとティアは明るい笑みを浮かべる。それが合図だったみたいに、ティアの背後で光が反射するのが見えた。
「………」
「来る…!」
違和感はすぐに確信へと変わり、サイティアはティアをユウリヤの方に突き飛ばす。
次の瞬間。続けざまに飛び出してきたのは、細長い槍状の獲物。殺傷能力を高めるために両先端に鋭利に尖った刃物。
「っ!」
突き飛ばされたことで、一命を取り留めたティアは、今まで自分が居た場所に、深々と突き刺さっている殺害意志を見た。
「やっぱり来やがったか…」
頭を掻いて、臨戦態勢に変えながら舌打ちする。サイティアの眼差しがユウリヤを仰ぐ。
「……俺はどうやら、今度は現場に居合わせることが出来たみたいだな」
目の前で燻る煙を見た時の気持ちで考えるなら、強ち身体を鍛えていたことも無駄ではなかったらしい。男二人で視線が交差した。
「出て来いよ…せめて名前を名乗れ!無礼者がっ!」
サイティアは叫ぶと同時に、水耀宮軍部内で開発されたばかりの最新武器を取り出す。簡単な起爆剤を詰め込んだ小瓶だ。それを推察した場所に投げつけた。
バウンっ!
「なにやら空気が…落ち着かないのですが………」
サイティアもユウリヤも沈黙を守る方なのだが、互いは視線を交えて暫く観察しあう。品定めでもするように上から下へ、下から上へと流れる視線。ティアはあえて何も言わずに固まった雰囲気に苦笑してしまった。
互いに視線で牽制しあっているみたいだが、不意にサイティアが何かを感じた。
「!」
禁圧をかけた場所ではないからかと、警戒を強めたサイティアに、ユウリヤも気がつき周囲を視線だけで伺う。張り詰めた弦はいつ切れても違和感はないだろう。
「動けるか?」
「はい」
サイティアが確かめるとティアは明るい笑みを浮かべる。それが合図だったみたいに、ティアの背後で光が反射するのが見えた。
「………」
「来る…!」
違和感はすぐに確信へと変わり、サイティアはティアをユウリヤの方に突き飛ばす。
次の瞬間。続けざまに飛び出してきたのは、細長い槍状の獲物。殺傷能力を高めるために両先端に鋭利に尖った刃物。
「っ!」
突き飛ばされたことで、一命を取り留めたティアは、今まで自分が居た場所に、深々と突き刺さっている殺害意志を見た。
「やっぱり来やがったか…」
頭を掻いて、臨戦態勢に変えながら舌打ちする。サイティアの眼差しがユウリヤを仰ぐ。
「……俺はどうやら、今度は現場に居合わせることが出来たみたいだな」
目の前で燻る煙を見た時の気持ちで考えるなら、強ち身体を鍛えていたことも無駄ではなかったらしい。男二人で視線が交差した。
「出て来いよ…せめて名前を名乗れ!無礼者がっ!」
サイティアは叫ぶと同時に、水耀宮軍部内で開発されたばかりの最新武器を取り出す。簡単な起爆剤を詰め込んだ小瓶だ。それを推察した場所に投げつけた。
バウンっ!