硝子の挿話
第8章 理由
「…私の幼馴染みで、護衛をしてくれているタルマーノです」
不穏な空気を和らげようと、ティアはことさら笑顔でタルマーノを紹介する。
「私の恋人の………ユウリヤです…」
ユウリヤを紹介するときは、さすがに気恥ずかしく尻すぼみする。こう紹介して良かったかと伺うティアに頷くと、頬を赤らめてうつ向いた。
それは女の顔だ。俯くティアを見た瞬間、足元から凍る体があった。
「………」
けれど―――。言葉に出来ない範囲でショックを隠そうとするタルマーノと、急に空気が張り詰めた理由が分からないティア。首をかしげて見上げる瞳を反らされた。
「…探しに来てもらったので、はやり此処で帰ります」
この不穏さを危ないと感じたティアが、タルマーノの腕につかまり、サイティアを見上げて言った。
「わかった」
静かに事情を察したサイティアが手を振ると、タルマーノの鋭い目が軽くにらみ据えた。
だが視線に気付かないフリをして、サイティアは笑顔で返す。
「行きましょうか?」
グイグイと腕を引っ張って、タルマーノの殺気を和らげようとする。このままでは一触即発ではないかと危惧するティアは、更にその腕を引っ張った。
「…ね?」
不穏な空気を和らげようと、ティアはことさら笑顔でタルマーノを紹介する。
「私の恋人の………ユウリヤです…」
ユウリヤを紹介するときは、さすがに気恥ずかしく尻すぼみする。こう紹介して良かったかと伺うティアに頷くと、頬を赤らめてうつ向いた。
それは女の顔だ。俯くティアを見た瞬間、足元から凍る体があった。
「………」
けれど―――。言葉に出来ない範囲でショックを隠そうとするタルマーノと、急に空気が張り詰めた理由が分からないティア。首をかしげて見上げる瞳を反らされた。
「…探しに来てもらったので、はやり此処で帰ります」
この不穏さを危ないと感じたティアが、タルマーノの腕につかまり、サイティアを見上げて言った。
「わかった」
静かに事情を察したサイティアが手を振ると、タルマーノの鋭い目が軽くにらみ据えた。
だが視線に気付かないフリをして、サイティアは笑顔で返す。
「行きましょうか?」
グイグイと腕を引っ張って、タルマーノの殺気を和らげようとする。このままでは一触即発ではないかと危惧するティアは、更にその腕を引っ張った。
「…ね?」